これは夫が独身だった頃の話です。

会社の独身寮に住んでいた夫は、自炊することなく毎晩同期や後輩たちと飲み歩く生活を送っていました。仲間との楽しい食事をする中で、次の休日はゴルフへ行こう！釣りに行こう！ボードに行こう！と次々と約束していきました。これらのイベントには道具が必要だったため、かなりの出費がかさみました。

働き出して数年程度だった夫の給料はそれほど多くなかったため、あっという間に貯蓄は減っていってしまいました。そしてついに元々所有していた銀行カードに付いていたキャッシング機能に手を出すのです。

銀行カードを作った際は、キャッシング機能を利用する考えは全くなかったそうです。しかしキャッシング利用枠はカード作成と同時に付いていました。ATMでの簡単な操作でキャッシングできてしまうため、夫は給料日前を中心に定期的にキャッシングを利用するようになってしまいました。メリットはこの手軽さです。しかし、それ以上にあるのがデメリット。借りたものは勿論返さなければなりません。そして借りた分だけではなく上乗せして返さなければなりません。危ない消費者金融とは違って安心感のある銀行のカードだからか、かなり継続して借りた分、返済額が100万近くにまで上ってしまいました。

そんな時に私と結婚。私が家計管理をするようになり夫の通帳を預かったことをきっかけにキャッシング利用が判明し、急いでまとめて返済しました。夫には借金していたという感覚がなかったようです。結婚当初からお金の問題が発覚し、一時は離婚をも考えましたが返済後少しずつ貯蓄を増やして行き離婚という考えは消えて行きました。

人との繋がりを大事にして交際費が出ていくことは悪いことではありません。しかし、自分の所持金や貯蓄額を把握しその中でやりくりすることが必要です。結婚後の夫はキャッシング利用はゼロになりました。皆さんも手軽さに惹かれて必要以上に利用することがないよう、どうかお気を付けください。